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土木業界研究 その1 土木業界を知る 仕事内容徹底ガイド

一つの土木事業には、官公庁や建設コンサルタント、ゼネコン・メーカーといった様々な業種が関わっています。ここでは、それぞれの業種の仕事と相互の関わり方をご説明します。漠然としたイメージから一歩進み、「この業務にこの業種が携わっているのか」という新しい発見があるかもしれません。

土木事業の流れ

発注者(官公庁)・受注者(建設コンサルタント、ゼネコン・メーカー)

上記の図示にあるように、土木事業はいくつもの業務プロセスの段階を踏みながら進んでいきます。一つひとつのプロセスを誰が担うのか?を知るために、具体的なモデルケースを例にとって見ていきましょう。

課題設定 地方のとある市で市長による「地方創生」を目指した公約が提示され、「まちを活性化させる」という計画が持ち上がっている。漠然とした全体構想を前に、どのような順序で、誰がどのような業務を担い、まちづくりは進められていくのだろうか。

企画立案

大まかな絵を描く。

市長の公約実現に向けて、まず動き出すのが官公庁たる市役所です。その際、様々なアイデアを提示するパートナーの一人として選ばれるのが建設コンサルタント建設コンサルタントは、様々な角度からまちづくり計画の選択肢を提示します。また、他地域での事例や、市民の声など、最も適した施策を検討するための情報も併せて示します。それらを題材に市長、市の職員と建設コンサルタントが協議して、発注者としての最終的な結論が示されます。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

調査計画

具体的な「モノ」を決めていく。

「企画立案」の段階で官公庁が「観光資源を活かしたまちづくりのために新しい道路を整備する」と判断したとします。次は具体的にどのような「モノ」を造るのかを決めていく段階に入ります。「まちの中心と観光拠点とを結ぶ道路をつくる」という一つの土木事業がスタートすることになります。建設コンサルタントは様々な調査やデータ収集を提案し、実際の交通量を調べたり、市民や地権者を主体としたワークショップを運営し、市民の声を集約してモノづくりを進めていくための基盤を固める役割を担います。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

必要な費用の、大枠を算出。

様々な調査結果や、市民や地域住民の声をふまえて、この道路整備の事業が検討に値するかどうかを官公庁が判断します。実現に向けて動き出す価値があると評価されれば、次に概算費用を算出します。建設コンサルタントは事業全体に関わるコストの算出に必要な項目を洗い出し、官公庁の予算化をサポートします。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

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設計

工事の現場で使える設計図を描く。

ここからは、建設コンサルタントが、段階を追って設計図を作り込んでいきます。たとえば今回道路を整備するというケースの場合、設計の第一段階となる「概略設計」では「道路の線形を決める」ことからスタートします。複数考えられるルート案の中から、経済性や利便性、工事の容易性など複数の観点から道路の線形を決めていきます。
この際、たとえば道路が河川と交差するとなれば「橋を架ける」という事業も進むことになります。橋の設計においても、どんな橋が最も適しているかを考えて決めなければなりません。この段階が「予備設計」です。橋の形状や素材を決めます。こうして決まってくる道路やそれに付帯する橋などに対する設計の最終段階が「詳細設計」です。
ここで描くのは、実際に工事の現場で使われる設計図となります。設計は建設コンサルタントが主体となり行われる業務プロセスですが、ケースによってはこの段階にゼネコン・メーカーが関わることもあります。たとえば橋梁を造るための資材の運び方について「ヘリコプターで運ぶのか、仮の道路を造ってダンプカーで運ぶのか」など、地域特性をふまえた施工計画を立てる必要がある場合、官公庁や建設コンサルタントは、ゼネコン・メーカーに専門家としてのアドバイスを求めることがあります。また「設計・施工一括発注方式」といった新しい発注形態においては、建設コンサルタントゼネコン・メーカーが最初から協力し合いながら設計することもあります。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

施工にかかる費用を積算する。

設計は図面を作成して終わりではありません。その工事を行うといくらの費用がかかるのか、建設コンサルタントが算出します。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

用地取得

工事に必要な土地を確保する。

官公庁は、地権者に対して計画全体の概要を説明し、新しい道路を敷設するために必要な土地を譲渡してもらうための交渉、補償金の算定、契約の締結、土地の引き渡しまでを行います。用地取得が完了すれば、晴れて工事のスタートです。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

施工

実際に「モノ」を造る。

ゼネコンが主体となり、メーカーと協働して設計図に従って道路や橋など、具体的なモノづくりを進めていきます。工事現場単位の、工程管理、安全管理、原価管理といった施工管理業務は当然そのゼネコンが行うことになりますが、建設コンサルタントも、設計図どおりの施工となっているかの確認や、また状況に応じた設計変更も含め、発注者である官公庁のパートナーとして施工管理に携わることがあります。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

維持更新

長寿命化のための対策を練る。

工事が終わり、市民の暮らしの中で道路や橋などが利用され始めて一定の年月が過ぎたら、今回の事業の目的であった「観光資源を活かしたまちづくり」の達成度を検証します。さらに整備された施設や構造物の補修や長寿命化については、個々を対象とするだけでなく、市全体における公共施策の状況を踏まえながら、今後の進め方について官公庁が策定する方針を、建設コンサルタントが検討します。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

施設や構造物の現状をチェック。

長寿命化を目指した維持管理計画を支援するため、必要な措置をとるための調査や点検を行います。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

損壊部の復旧や、延命化を行う。

点検データを元に、建設コンサルタントが補修設計を行い、それに基づいてゼネコンが補修工事を行います。さらに維持管理の計画に基づいて、点検、補修の設計、工事が繰り返されていきます。

具体的な業務を担うのは:官 公 庁建設コンサルタントゼネコン・メーカー

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