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01/構造
構造部
名知 幹弘Nachi Mikihiro
2007年入社
工学部 社会基盤工学科卒

幼い頃から「街づくり」に興味があり、都市計画の仕事がしたくて当社へ。構造部に配属となったが、大学時代は嫌いだったコンクリートの仕事をするうちに、その面白さに目覚めたという。現在、橋梁などの道路構造物の長寿命化計画を担当し、子どもに仕事のことを聞かれたら「パパは橋のお医者さんなんだ」と説明しようと考えている。

道路橋には床版とよばれる車両を直接支えるコンクリートの版がある。床版の劣化は、従来大型車両がくり返し載荷することで発生する疲労が原因と考えられており、交通量が多い市街地で劣化が顕著にみられている。「しかし私たちは、交通量が少ない山岳地域に架橋された橋梁でも同様の現象が発生していることに気付き、その原因を突き止めました」と語るのは構造部の名知だ。

2014年9月、名知は国道153号線の橋梁群補修計画の主担当となった。これは国土交通省が推進する道路橋の長寿命化計画の一環で、従来のような事後保全ではなく、構造物の劣化を予測して予防保全を行い、交通インフラを維持するというプロジェクトである。「国道153号線は愛知県と長野県を結ぶ一般国道です。中でも私が担当した約50kmのルートはほぼ山間地。橋梁数も70を超えていました」。名知はまず過去の点検結果や非破壊検査の結果をもとに1次調査を実施。社内外の専門家と検討をくり返すうちに、一つの仮説が浮かび上がってきた。「それは積雪寒冷地域では、疲労に加え、海岸で見られる塩害が起きている可能性があるという仮説でした」。

11月になると、その仮説を確かめるべく、名知は紅葉が美しい木曽山中に毎週のように足を運び、橋梁からコンクリートの一部をくり抜いて検査を行った。すると、一般的に1.2kg/㎥を超えると危険とされるコンクリートの塩分濃度が、場所によって8kg/㎥を超えていることが判明。まさしく沿岸部同様の塩害が起きている証拠だった。「原因となっていたのは、冬に撒かれる凍結防止剤の塩分でした。放置すれば、数年後にはコンクリート劣化を引き起こす恐れもありました」。

その後、この結果を報告書にまとめるのも一筋縄にはいかなかったと名知はいう。前例がないケースのため、計画を作成するには根拠となるデータをすべて自分たちで1から用意しなくてはならない。この報告内容次第で、翌年以降に補修工事が行われるかどうかが決まるのだから、責任は重大だ。名知はコンクリート研究の第一人者である大学教授らと何度も話し合い、床版の打ち替えの必要性に応じて優先順位をつけた報告書を国土交通省に提出。こうして、約半年間のプロジェクトは終了した。だが、これで終わりではない。急峻な地形と寒暖差の大きな気候を持つ日本では、同様の問題は全国どこでも起きる可能性があるのだ。彼の活躍の場に限りはない。


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