中央コンサルタンツ株式会社

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04/港湾
流域整備部
荒谷 豪Aratani Takeshi
2006年入社
環境学研究科 地球環境科学専攻了

幼い頃から地図を見たり、電車の窓から橋や道路を眺めたりするのが大好きだった。大学院では地質を専攻したが、就職活動をする時に幼い頃のことを思い出し、構造物の設計をする建設コンサルタントを志望。中でも地元名古屋に本社を持つ当社を選んだ。電車好きは大人になった今も健在で、休日はカメラを持って「撮り鉄」の旅に出る。

全長361m、高さ72mにも及ぶ世界最大級の豪華客船「オアシスオブザシーズ号」は、東京駅(336 m)より遥かに巨大だ。こんな巨大な建造物を、地方の工業港に係留するにはどうすれば良いのだろう。現在日本ではインバウンド需要促進のため、全国の港湾整備が進められている。その一環で、三重県四日市港を世界最大級の豪華客船が停泊できる港に補強するという計画が持ち上がった。2016年5月、このプロジェクトを任されたのが港湾部門の荒谷である。

「最初に、過去の設計計算書などを探し出して、桟橋の強度を計算しようと思いました」。しかし、想定している船舶の規格が大きく、発生する外力に対して、従来の二次元計算で対策を検討することが困難だったという。数ヶ月の紆余曲折の末、普段は水門などの複雑な設計に用いられる三次元フレームによる強度計算を行った。「この港の場合、梁の強度が大幅に不足していることが判明し、桟橋の大規模な補修工事が必要となりました」。

実はこの時点で、当初の計画完了予定だった2017年の3月は過ぎていた。しかし、肝心の補修工事の工法選定がまだできていない。「自治体に事情を説明し、プロジェクトの継続を認めてもらいました。でも、ここからが大変でした。工業港の稼動を止めずに補強する適切な工法がなかったんです」。

ある日、荒谷は別部署となる構造部門の先輩から「連続繊維シート補強」という工法を教えられた。これはシート状の炭素繊維を樹脂でコンクリートに張り付ける工法で、通常の土木構造物では一般的だ。しかし水中の構造物に適用して安全性が担保できるかは未知の世界。「炭素繊維の有効性を確かめたり、繊維をどのように使えば十分な強度が出るかも確認しました」。その結果、この工法の有用性は確認できた。次は、この数値の「正しさ」のお墨付きが必要だ。彼は横須賀の国土技術政策総合研究所を訪ねてこの工法が港湾の補強工事に有用かどうかの検討を依頼。その後、担当者から何度も戻ってくる疑問や課題を一つずつクリアし、2017年5月、ようやく国総研からGOサインが出たのだった。そして彼が自ら改修計画図面を作成し、スタートから1年以上の時間をかけて港湾補修設計のプロジェクトは完了した。

「技術者は、図面を描くだけの仕事ではありません。自分がベストだと思う道を信じ、諦めずに交渉を続けることも大切な仕事です」。将来、この港に停泊する豪華客船を、家族と見に行く日を荒谷は楽しみにしている。


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